洗面台の水が流れなくなってしまった場合、つまりの原因として考えられるのは主に3箇所です。どの部分に詰まりが発生しているのかによってその対応策は異なります。
ヘアキャッチャー
洗面台の排水口の一番上の部分に取り付けられているゴミ受けのことをヘアキャッチャーといいます。 古い洗面台は、目に見える場所にそのままヘアキャッチャーが置かれています。比較的新しい洗面台は、洗面台のフチに押しボタンが付いており、押すとヘアキャッチャーを封鎖する栓が空き、水が流れ、逆に引くと封鎖する栓が閉まり、水を溜めることができるようになります。 この形だと、ヘアキャッチャーにどの程度髪の毛や石鹸カスが付いているのかが目に見えて分からないため、気付いたときには水が流れないほど詰まっていることがあります。ただ、このヘアキャッチャーのつまりは、手で簡単に取ることができるので、つまりの原因がヘアキャッチャーだった場合は、すぐにその詰まりを解消することができます。
S字トラップ
洗面台の下の物置の扉を開けると、排水管が下に伸びているのが分かると思います。しかしこれは、単純に直線になってそのまま排水されるわけではなく、何回か大きなカーブをしてから排水されているのが分かると思います。この部分で180度のカーブが2回行われ、床下に向けて排水管が伸びている、つまりS字になっている場合は、S字トラップと言います。この部分が180度のカーブが一回行われ、次に90度のカーブがあり、壁面に向けて排水管が伸びている、つまりP字型になっている場合は、P字トラップといいます。
ヘアキャッチャーが原因でない場合、つまりの原因の多くは、このトラップの部分になります。トラップというのは、下水道の臭いが洗面所に立ち上ってくるのを防ぐために水で蓋をするために存在しています。180度のカーブがあると、水が流れ終わっても、その部分に水が残りますよね。これが下水道から流れてくる臭いや虫などが洗面所に来るのを防いでくれるのです。
排水パイプ・排水管
S字トラップから壁、または床に向けて伸びているのが排水パイプです。そして床下配管に繋がりますが、これが配水管です。そして最終的には排水管は屋外につながっていきます。排水パイプやS字トラップP字トラップなどは、錆びないように樹脂製のものやステンレス製のものがありますが、排水管になると、鉄管や塩ビ管の使用量が多くなります。鉄管の場合、築年数によっては錆が生じ、その錆が発展すると、排水管に穴を開けてしまうことがあります。塩ビ管の場合は、汚れが付きにくかったり、錆びにくかったりという性質があるので、つまりは起こりにくいです。 ではここから先は、実際に洗面所の排水溝が詰まってしまった場合、どのようにその詰まりを解消していけばいいのか、できるだけ手間がかからず、お金もかからないものから順番に、原因を特定しながら進めていけるように、優先順位の高い方法からご説明していきます。